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会報
第43号
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二〇〇八年度演習紹介

 上代   中古   中世   近世   近代   漢文学   日本語学   日本語教育
上代

小川靖彦先生(専任)
<3D 石山 直毅>
私たちには多くの古典作品に触れる機会があります。これらの作品が成立した当時、どのように読まれていたのかを考えたことがあるでしょうか。こんな問いかけからこの授業は始まります。「本」という文化は、五〜六世紀に伝わりましたが、日本で初めて作られたものは巻子本(巻物)という形でした。巻子本は、私たちが手にする冊子本とは違い、途中から読み始めることが出来ません。特に歌集であれば、その順序が重要になるのです。この演習では『萬葉集』を題材として、一首一首を読み込んで上代に思いを馳せることに加え、編者が歌の配列に込めた思いに迫ることで、そこから浮かび上がる「歴史観」を、発表を通して考えていきます。

<3B 斉藤 優輝>
「仏の骨を混ぜていると言われて、茶毘紙(だびし)と言うんですよ。この黒い点は麻の皮とも香木とも考えられています。」全員の視線が机の上に広げられた巻物の断簡に集まる。『大方広仏華厳経』。仏教の経典である。「茶毘紙」と呼ばれる厚様麻紙が、その料紙である。乾いて茶色がかった紙面に点々と浮かぶ黒いもの。骨か、これが。息を飲んだ。
ここは小川靖彦ゼミ。恐らく日本で唯一「書物学」について学ぶことができるゼミ。書物に凝らされた数々の意匠性とテクストの関係を研究する学問が、書物学である。さらに青山に保存されている多くの貴重書に触れる機会にも恵まれているのも、このゼミの大きな魅力である。小川先生はもちろん、ゼミ生の意識も高い。

矢島 泉先生(専任)
<3D 瀬沼 大夢>
矢島先生のゼミでは、情報を自分で操作、創造することを目指して活動をしています。具体的には、表面的に見える書物の内容からそれらの根底に迫っていこうとする動きです。これだけ聞くと難しいことをしているように思えて固い雰囲気を想像してしまうかもしれませんが、実際にはとても穏やかな雰囲気に包まれています。
また自分なりの考えを堂々と発表できる場でもありますので、様々な思考を展開することが可能です。したがって自己の思考回路の成長のために大変役立っています。


中古

土方洋一先生(専任)
<3C 井出 敦大>
土方ゼミでは今年、源氏物語「賢木巻」を精読しています。発表者がペアになり、問題を提起します。そこで私たちはまず、
「どう文章を読むことが正しいのだろう?」
ということから考えます。そのこと自体は、文学研究すべてに共通することですが、でも、源氏物語などの古典を研究するときには、とても大事なことになります。なぜなら、それが千年もの昔に書かれたものだから。本当の正解は、きっと作者以外には分からないものなのかもしれません。それでも私たちは、限りなく正解に近づくために研究します。レポーターを中心にみんなで新しい『源氏物語』の新しいイメージを共有しようと、毎週読みを深めています。

高田祐彦先生(専任)
<3B 秋山 卓澄>
こんにちは。今度の高田ゼミでは、『古今和歌集』を扱っています。9名程でこじんまりしていますが、その分濃厚で有意義な時間を共有することができます。各々和歌一首が割り当てられ、発表するという形式です。前期は先生が指定したもの、後期は自由に歌を選択します。人数が少ないため、一時間まるまる一人の発表と質疑応答に費やしますが、時には「来週までにこれ調べておいで」と一人2時間担当することもあります。もちろん楽ではないですが、和歌の魅力に必ず気づけることでしょう。笑顔に包まれた素敵な空間で、楽しく学ぶことができます。高田先生のお人柄のおかげでしょう。

今井 上先生
<2C 遠山 友梨子>
私たちはこの授業で『和泉式部日記』を読んでいます。近藤みゆき著『和泉式部日記』など数冊の参考書を比較して、本文校異、注釈、考察に分けて、担当者がレジュメを作って発表しています。少しでも疑問に思ったことは積極的に質問して発表者との意見交換ができるので、より深く理解することができます。和泉式部は恋多き女として知られていますが、この授業を通して、そのような評価とは異なった和泉式部の姿を見ることができるなど、新しい発見も多くあります。また、『和泉式部日記』に限らず、一般的に古文を読んだり、調査する上で必要な知識も身に付けることができる授業です。

河野貴美子先生
<3D 中村 しおり>
私たちのゼミでは、『日本霊異記』という書物について学んでいます。この書物の中身は本当に多種多様。仏教説話集、とされていますが、毎週の発表で「一体この話は何が目的なのだろうか」などという質問まで出てきます。そこで助け船を出してくださるのが博識でお話好きな河野先生。先生の広がって広がって広がりまくるお話に私たち生徒もつられて饒舌になっていきます。時に「自分の知識披露大会!」になるのはご愛嬌。我こそ物知り、または物知りになりたい! という方には一押しのゼミになっています。

吉野瑞恵先生
<3A 浅川 真知子>
このゼミでは『更級日記』について発表を行っています。発表は割り当てられた箇所を様々な注釈書や辞典を調べ、語釈や考察を述べていき、その後議論していくという形で進められています。二十人弱という人数なので様々な観点からの疑問や見解が飛び交っています。先生はそんな議論を温かく見守りつつ、時折考察や解釈を示してくれます。また、『更級日記』は『源氏物語』の影響が非常に強く、時に漢詩に触れることもあります。そのため、『源氏物語』を中心に、その他の物語や和歌、漢詩と幅広く触れることができるので、中古に興味のある方はもちろん、和歌や漢詩に興味のある方にもお勧めのゼミです。


中世

廣木一人先生(専任)
<3A 定岡 季菜子>
<3D 北村 麻衣>

このゼミでは『徒然草』を通して、作者である兼好の立場や章段のつながり、時代背景について考えていきます。担当箇所に注釈や訳を付け、当時の風習や兼好の人柄など、気になった点を取り上げてレジュメを作ります。『徒然草』自体が人や住居、花や和歌など様々な事柄に渡って描かれているので、広い視野が得られると同時に、新たな読み方や疑問点が浮かびます。発表後は全員でそれらを指摘し合って討論。活発な意見の交換はもとより、廣木先生のユーモア溢れる冗談や新たな視点の提示など、盲点を突く指摘に驚嘆です。適度な緊張感と和やかな雰囲気は、おそらく先生のお人柄。
ぜひ廣木ゼミで充実した時間を過ごしてみてはいかがでしょうか?

伊東玉美先生
<3C 佐久間 由実絵>
私たちのゼミでは、発表者がまず担当の話を朗読し、あらすじを説明します。その後、話に関連する事柄について調べたことを説明します。先生から発表者に何点か質問があり、発表者がそれに答えた後に、クラスメートとの意見交換があります。難しい箇所や当時の習わしなどで分かりにくい部分に話が及んだ時は、先生がその事に関して詳しく説明して下さるので、当時の様子についてもより理解を深められます。生徒による質疑応答では、発表者の解釈とは違う見方もあり、多くの意見がでます。また、その際に他の意見に対しても考える機会を得ることができるので、クラス全体で一緒に一話について読みを深めていけます。

不思議で、怖くて、面白い。おいしいとこ取りの『宇治拾遺』の世界へどうぞ。

佐伯眞一先生(専任)
<3D 小野 護>
今年は『平家物語(下)』を使い、前期は各自選んだ章段の研究発表、後期には好きなテーマ(例えば遊女や合戦等)を研究し、得られた新たな見解を発表する、といった形式です。資料集めは大変ですが、新たな視点が得られたとき、発表がうまくいったときの達成感といったらありません!
夏に合宿で京都は嵐山・嵯峨野に行きました。先生の案内のもと、レンタサイクルで名所を巡り、夜は湯豆腐料理三昧。最高の合宿でした。
先生はとても優しく、ギャグセンスに長けた方です。(腸の捻じれにご注意!)そんな先生と共に、笑いの絶えないゼミの一員として「平家マニア」になりたい方には是非ともおススメです!

佐藤智広先生
<2D 深沢 佳世>
<2D 安田 絵莉>

佐藤ゼミでは前期、百人一首を研究しています。学生一人ひとりが関心のある和歌について、語釈などを調べた上で既存の解釈を再検討し、私訳を作ります。たった三十一文字の中に隠された思いやもうひとつの意味などを自分たちで研究し、さらりと句を読むだけでは見えてこない中古・中世の世界観を知ることができます。文学的な面でも、参考文献の扱い方などを学べる有意義なゼミになると思います。
先生はユーモアのあるお茶目な方ですが、私たちの発表にとても丁寧にコメントしてくださるので、研究の視点が身につき知識が深まること間違いなしです。
中古・中世の和歌や世界観に少しでも興味のある人にはぜひお勧めのゼミです。


近世

大屋多詠子先生(専任)
<3C 中沖 麻衣>
曲亭馬琴─聞いたことはあるけれど、実はよく知らない、そんな人にこそお勧めするのがこの大屋ゼミ。曲亭馬琴は江戸後期を代表する作家です。彼の作品「椿説弓張月」をテキストにして、本文と挿絵の関係性、挿絵から見る当時の生活や風習などを調べ、発表します。後期からは、各自テーマを決めて、本文から作品世界を更に掘り下げていく、という形式で進んでいます。古典や現代文学が好きで日本文学科に入った、という人が多いと思いますが、実は江戸文学だって粋で滑稽で華やかで、魅力たっぷり! 大屋先生は若くて穏やかなので、とても話しやすく、注目する箇所は適宜指摘して下さいます。皆さんも生き生きとした江戸の世界に触れてみませんか?

近藤瑞木先生
<2C 田口 美里>
「妖怪」という言葉を聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか?
近藤ゼミでは、江戸時代の狩野派絵師である鳥山石燕の『今昔百鬼拾遺』に登場する妖怪たちについて調査し、考察を加えることによって、この作品を文学史上に位置付けようとしています。一人が一体の妖怪について調査を行い、結果を発表形式で報告します。
この演習で扱う妖怪たちは、そのまま卒論のテーマになりそうな、調査しがいのある魅力的で面白い妖怪ばかりです。実は、これらの妖怪について考察するには、文学的な分野だけではなく、美術、歴史、民話など、様々な分野を基に考察することも大切になります。つまり、一つでも多くを学ぶことができる、とても欲張りな演習です。


近代

片山宏行先生(専任)
<3A 村石 友里恵>
「ボクは文ちゃんがお菓子なら頭から食べてしまいたい…」この蟻たちが間違えて運んで行きそうなほど甘いラブレターを奥さんに送ったのは、我が片山ゼミの前期研究テーマである元祖イケメン文豪、芥川龍之介である。前期は芥川、後期は明治・大正に活躍した作家およびその作品から各々が自由にテーマを設定し、研究発表を行うのが片山ゼミの課題である。
近現代文学専攻の学生は、作家を深く愛するあまり後を追って入水しないか心配なほど熱心な者と、モラトリアムの終焉を謳歌するのに必死で授業に出る余力のない者と両極端のように感じるが、思い思いの題材を持ち出す学生一人ひとりに的確なアドバイスを下さる片山先生の造詣の深さには授業の度に震撼せざるを得ない。
下調べあっての論なので、準備には相当な時間と熱量を費やすが、多くの貴重な知識が身に付く充実したゼミである。

日置俊次先生(専任)
<3D 三上 一貴>
日置先生のゼミでは、短歌について研究しています。五・七・五・七・七の短い音数で自分の言いたいことを表現するのは非常に難しく、なかなか奥が深いものです。毎週、指定の題に合わせて一首ずつ歌を作り、教室で歌会を開きます。歌会では、一人ずつ自分の歌を朗詠し、お互いに評価をし合います。時には厳しい評価を受けることもありますが、皆の目に触れて初めて解ることも沢山あり、勉強になります。
また、天気の良い日には外に飛び出し「青山散策」へと出かけることもあります。知っているようで知らない青山界隈をピクニック気分で散歩します。日置先生の明るい雰囲気のお陰で、楽しく和気藹々と日々短歌の技巧を深めています。

佐藤 泉先生(専任)
<3A 稲川 真美>
<3B 青山 香澄>

佐藤泉先生のゼミではプロレタリア文学と階級社会に関する文学論争を中心に研究しています。授業で現代社会でも注目されている『蟹工船』『かんかん虫』といったプロレタリア文学を扱うと共に、資本主義社会の問題を思想家たちの論文(意見書)を毎回発表者のレジュメを通して読み解いています。
政治性の強い難しい内容に取り組んではいますが、全体を通して現代社会の経済格差などに照らし合わすことのできる問題なので、非常にやりがいがあります。
このゼミは一つの文章に完全な理解を求めるよりも、授業の中で論じ合うことにより自分の意見を意識化することに重点を置いているので、自己発見にも繋がると思います。

生方智子先生
<3A 小粥 千裕>
谷崎潤一郎や江戸川乱歩など、サブカルチャーの源流となった近代の文学作品を取り上げ、この授業の年間テーマである『遊民』つまり‘何にも属していない人(ニート)’を生み出した“都会”“資本主義”等の、近代化に直面した人間の「無意識」「身体」「快楽」の問題について探究する。作品を読解、構造化し、そこで何が語られているか、そしてそれが何故語られたのか(歴史状況等)を、生徒がレジュメを作成しての発表、時には教授の講義形式で探っていく。谷崎や乱歩などの濃密な世界観がなぜ生み出されたのか、興味のある人は是非受講をお勧めする。

小関和弘先生
<2A 阿部 明仁>
この演習では宮澤賢治の詩集、『春と修羅』を研究しています。授業の形は2〜3人の学生が割り当てられた作品を研究し発表、その発表に対し他の学生が質問や意見をするというものです。この授業形式は発表までに図書館や日文研究室等に足を運び資料を探し研究することが求められます。この作業は卒業するまで大切なものであり、その作業を2年からできるということは非常にプラスだと思います。また授業中の意見によって様々な考えを知ることができ、自分の考え方(視点)を広げることができるという点もすごく貴重なものだと思います。ゼミがどういったものか不安な人や3年になる前に雰囲気に慣れておきたい人には受講をお薦めします。



漢文学

大上正美先生(専任)
<4C 鈴木 絵理>
漢文学演習[3]では、大上先生が受講生の興味に沿った内容を設定してくださいます。講義は主に担当者の発表とそれについての討論で進められ、今年は、陶淵明を中心として、杜甫や白居易などの詩人との繋がりを詩から読んでいます。漢文学と言うと難しいと感じるかもしれませんが、先生が時代背景や基礎知識を細かく丁寧に解説してくださるし、各々が感じたこと調べたことをもとに発表し、討論を深めていきますので、漢文や漢詩に興味があれば十分理解できます。漢字一字に込められた作者の意図や感情を探りながら、共感するものを求めて学んでいく、それは漢文学だけの面白さです。是非参加してみてください。

<2B 岩崎 貴人>
大上先生の漢文学演習〔1〕では、岩波文庫の『杜甫詩選』を使って杜甫の詩を読んでいます。杜甫と言ってもいわゆる「沈鬱」な詩だけでなく若いときのエネルギッシュな詩や、美しい自然を描写した詩、家族や友人に対する細やかな感情を詠った詩、鋭い社会批判の詩などと、多岐に渡ります。そんな様々な内容の詩を読んで、杜甫の詩や、杜甫自身を理解していくのがこの授業です。詩の読み方だけでなく、同時に杜甫の年譜や関係地図を参照しながら杜甫の生涯、玄宗皇帝の時代についても学びます。前期はレポート発表も行いました。少人数なので授業は非常にのんびり進みますし、和気藹々とした雰囲気です。

山中恒己先生
<2C 細川 良子>
山中恒己先生が受け持っていらっしゃる漢文学演習では、毎週二、三人のグループで故事の発表を行っています。漢文の読みや訓点の打ち方、また用語の解説をまじえつつあらすじを読み解き、そこから得られる教訓について学びます。課題となる故事は、誰もが知っている有名なものから中国では常識でも我々にはなじみの薄いものまで様々で、またその故事にまつわる偉人、賢人についても詳しく説明して下さいます。さらに、何回かに一度授業で扱った漢文の内容や訓点の打ち方について小テストを行うため、自然と漢文を読む力が身についていきます。中国歴史、故事の由来などに興味を持つ方は是非受講をお勧めします。


日本語学

安田尚道先生(専任)
<2A 大部 真央>
「日文生の強みは、変体仮名の読めること」と、安田先生は言います。このゼミでは何百年も昔から使われてきた文字、変体仮名について学びます。
変体仮名についての知識は、日文生ならば身につけておいて損のないものです。古典の文字には、活字化されたものからは伝わらない、書き手の心情が映っています。古典作品を、書かれた当時の文字で読むことによって、作品そのものが持つ魅力に触れることができるのです。
変体仮名について何も知らなくても大丈夫です。安田先生は、豊富な知識をもとにした丁寧な解説で、一人一人をサポートしてくださいます。この授業はアットホームながらも、知識を確実に自分のものにできるゼミです。

<3C 岡田 正也>
今年の安田ゼミでは、『天草本イソホ物語』を読み進めています。原文はキリシタン式ローマ字で書かれていて、所謂イソップ物語ということもあり、全体の大まかな意味は掴めるのですが、時たま妙な単語に出くわすことがあります。具体的な例を挙げると、「狼」という単語は、漢字を見ればすぐオオカミのことなのだと分かるのですが、この本の中では「vocame」となっていて、この表記からは狼を思い浮かべにくいと思います。時代ごとに言葉の発音や表記が違うため、辞書というものがただ単に意味を調べるためだけに存在するものではないということに驚かされます。とにかく、あなたも言葉の広がりを楽しんでください!

近藤泰弘先生(専任)
<3C 佐藤 圭>
このゼミでは日本語に関する様々な論文を読んでいます。「論文」と聞くと「何だか難しそうだな」と思うかもしれませんが、各自の興味のあるテーマを基に、先生が解りやすいものをいくつか選んでくださるので心配は要りません。私は社会言語学的なもの、比較的新しい分野に興味があり、「ことばとキャラクターとの関わり」という論文を読み、発表しました。論文を読み込み、重要な部分、足りない点、疑問点などを自分なりに考察し、その論文がどういったものなのかを伝え、それをふまえて全員で議論します。他の人の意見や感想を聞くことで、視野が広がり、新たな疑問点が生まれてくることもありました。人数はあまり多くないのですが、ゆったりとしたペースで自分の関心のある分野を深く追求することができます。是非このゼミで日本語の奥深い世界に触れてみませんか?

<3A 青木 紫水>
近藤先生のゼミでは、日本語の中でも複合辞を取り上げて研究しています。たとえば「文法について研究する」と「兄の後について歩く」という二つの文にある「について」という言葉は用法が違います。もともとは「付く」という動詞ですが、前者は動詞の機能や意味が希薄化して、もはや別の言葉になっています。こうしてできたものが複合辞です。授業では各々気になる複合辞の現状を調査し、Web上にホームページを作って発表を行います。日本語は私たちが普段から使用しているものですが、その用法を説明することは容易ではありませんし、いくら調べても日々変化していくものです。しかし、だからこそ日本語とは興味のつきないものだと思いませんか。

鈴木美恵子先生
<2D 宮本 彩>
この授業では、動詞の活用・人物の呼称・語順などの日本語文法をそれぞれのグループが毎週違うテーマで発表し、その後みんなで討論しています。使用している教科書が書かれていない場合もあるため、一人一人が考案し発言できる少人数ならではの授業が展開されています。
自分の力で日本語文法のルールを見つけ出すため時間はかかりますが、先生の手助けを借りながらでも結論まで辿り着けた時はとても嬉しく、その結論はしっかりと身に付きます。更に日本語教師の試験の問題を解いたりと、興味を広げることもできます。日本語学を基礎から納得がいくまでしっかり学べる授業です。


日本語教育

山下喜代先生(専任)
<3B 佐々木 美月>
山下ゼミは一、二年次からの日本語教育学の知識を基に、日本語の指導を念頭に置いた、より実践的な研究や分析を行います。三年次は個人でテーマを掲げた論文作成、コースデザインや教科書分析等に取り組んでいきます。また、グループ活動では学生同士で活発な意見交換ができるので、横の繋がりを感じつつ毎回の授業が刺激的です。四年次には交換留学生を対象にした実習もあり、日本語教育の真髄を究めるにはこれ以上の環境はないように思います。さらに、厳しさの中にも愛のあるご指導をしてくださる山下先生の素敵なお人柄もこのゼミの魅力です。日本語教育に少しでも興味のある方は日本語教育の世界に飛び込んでみてはいかがでしょうか。

川端芳子先生
<3C 坂倉 綾花>
みなさんこんにちは。日本語教育演習Bの紹介をさせていただきます。
私たちのゼミは、担当の川端先生を含む全員と多くのコミュニケーションをとることができます。授業では、前後期通して一人ずつ発表を行います。
前期は日本語教育と国語教育の観点からそれぞれ文法解析を行い、後期は一文法項目についてのテストを作ってみます。
ほかのゼミ生からの指摘や、先生の日本語教師としての経験からのご指導など、実践的かつ活発に盛り上がっています。
先生の、授業に関するお話はもちろん、授業に直接関係のないようなお話も、大学3年という岐路に立つ私たちには大変有意義なものでした。
私たちはこのゼミで、実りある1年を過ごすことができました。



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