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久保田 剛史

プロフィール

久保田 剛史北海道利尻島生まれ。高校卒業まで旭川で過ごす。専門は16世紀フランス文学・思想(特にモンテーニュ)。文学博士(ボルドー第三大学)。ボルドー第三大学日本語学科助手(2006〜2008)を経て2009年度に就任しました。訳書にアラン・ヴィアラ著『作家の誕生』(共訳)があります。

僕が生まれ育った北海道はアイヌ文化の発祥地ですが、明治時代には和風文化や西欧文化が取り入れられ、今でも「近代の始まり」の面影を残している地方です。大学でルネサンス文化論を勉強したときに、何となく故郷の歴史と似ているという印象を持ち、16世紀のフランス文学・思想に興味を抱きはじめました。

16世紀と言えば、印刷術の誕生、新大陸の発見、コペルニクスの地動説、宗教改革でも知られるように、伝統的な世界観が大きく揺れ始め、ヨーロッパが「近代の始まり」を迎えた時代です。また、古代ギリシャ・ローマ文明が再評価され、キリスト教と古代の異教が見事に調和した美術・文芸作品が生まれたのもこの時代です。このように変革する社会と文化を背景に、フランス・ルネサンスの作家たちは、飽くなき好奇心に突き動かされ、躍動感と感受性にあふれる作品を書いたのです。

みなさんも、ラブレーの巨人物語に驚嘆したり、ロンサールの恋愛詩に感動したり、モンテーニュのエッセイを味わったりしながら、フランス・ルネサンス文学の豊かさにふれてみませんか。16世紀文学は、21世紀に生きる私たちにも、きっと多くの楽しみをもたらしてくれることでしょう。

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